Diva~見失った瞬間から~
「「「え?」」」
私と時鶴と蒼空君は思わずハモった。
「蒼空、コレ。プレゼントな。」
「あ、サンキュ。」
あ、まだ渡してなかったのか。
「じゃ。」
そう言って天瀬さんは背を向け…。
「うわぁっ!?」
無かった。
今の声、私の奇声です、はい。
何故奇声を発したのかと言うと。
天瀬さんが私の腕を掴んで
引っ張ったから。
お陰で私は天瀬さんに
もたれ掛かるように
立っている状態になっている。
…………おいおい。
何で引っ張ったんですか、天瀬さんや。
目の前の時鶴と蒼空君は目を丸くして
私達を見ていた。
美男美女が台無しである。
「送ってくから、一緒に帰るぞ。」
「……………へ?」
今、何と。なんつった?
「えぇっ!!天瀬君、奏乃と帰るのっ!?
奏乃をあたしから
奪う気かぁぁあ(`Δ´)!?」
違うだろうが。
時鶴、
突っ込むところ絶対に違うだろうが。
蒼空君はまだ驚いていて何も言わない。
「ホラ、早く帰るから。荷物は?」
「え、あ。あそこにあるスクバ…。」
家に寄らずに直接ここに来たから、
スクールバックのままである。
「ん。待ってるから取ってこい。」
「は、はぁ…(´・ω・`)?」
何だか口調が妙に優しいためか、
私は肯定も否定も出来ずに
スクバを取りに行く。
《ガサッ》
あ、プレゼント。
スクバの脇に置いてある袋を見て
まだ蒼空君にプレゼントを
渡していないことに気づいた。
とりあえず私は蒼空君に寄る。
で、プレゼントを渡した。
「はい。蒼空君。プレゼント。」
「え、あ…うん。サンキュ…。」
蒼空君はまだ放心状態。
そして、
渡し終えると天瀬さんの方に戻る。
とりあえず従おう。と思ったから。