Diva~見失った瞬間から~
「じゃ。」
そう言うと、葉月君は蒼空君達の居る
監督さんが座っている方に
駆け足で行った。
………何だったの、あの感じ。
「奏乃~?」
「へっ?」
呆然と立ち尽くしている私に
時鶴は話し掛けた。
「天瀬君、格好いいでしょ?」
「え?」
何を言っている、時鶴。
「天瀬君ねぇー、
蒼空君と同じくらい女の子に
ファンいるって話だよー。」
「………はぁ。」
「ここの高校の試合見に来る女子は、
1割、サッカー好き。
4割、蒼空君目当て。
同じく4割、天瀬君目当てだってー。」
自信満々に話す時鶴。
「…そんな…大袈裟じゃないの?」
4割蒼空君で4割葉月君…って…
つまり8割男目当てってことでしょ?
流石にそれは…。
「いーえ、事実なのだよ、奏乃君。」
「………(何キャラだよ)。」
「ちょ、奏乃その目止めてっ!?
悲しいっ!」
私の冷ややかな視線が痛いらしい。
時鶴って、つくづくドMだと思う。
「本当だってばっ!
だからあたしね?試合終わった後、
中々蒼空君に近付けないの(´・ω・`)。」
少しシュンとした時鶴に、
嘘をついている様子は微塵も感じない。
とゆうか元々時鶴が嘘ついてるなんて
1ミリも思ってかなかったし。
ただ、ソレは無いだろって、
8割は言い過ぎだって思っただけ。