Diva~見失った瞬間から~
「じゃあ、行こ。」
「………ま、待ってよ、葉月君。
こういう所って、
関係者以外入れないでしょう?」
何普通に私を入れようとしてるの。
「ん?平気。
カナは関係者の関係者だから。」
何だその友達の友達と似たノリ…!
「行こ。」
「えぇっ…。」
手首を葉月君に掴まれ、
連行される感じ。
どうにも出来ない状況。
駄目なんだってば。
ココは……
私が来ちゃ駄目なんだよ…っ。
私の腕を引く葉月君が、
またもや"彼女"の面影に重なる。
『カナ!今日は何だっけ?』
いつかの懐かしい幻覚が現れる。
懐かしすぎて、涙が出そうになる。
「……っ。」
葉月君は、
後ろで泣きそうな顔をしている
私に気が付くワケもなく、
颯爽とそのスタジオに私を連れ込んだ。