君への小さな想いを掲げて *my first love*
「希凛…。背丈的にピッタリだな。」

「えっ…」

背丈的にピッタリ。
何気に傷つく…。

「…まぁ、えと、謝りたかっただけなんで…。」

あからさまに傷ついた顔だと分かったのか戸部山くんはすぐに話を逸らした。
…その反応もどうにかしなきゃってあからさますぎて傷つくな…。

「俺はいい名前だと思う。高野瀬さんに合ってて」

そう言って戸部山くんは少し頬を緩ませた。
…えっ…。

_____ドクドク…。

戸部山くんの表情を見て、心臓の鼓動が早くなる。
…ちょっと最初は冷たい感じの人って言うのが印象に残ってたけど。

戸部山くんもこんな表情をするんだなぁ…。

……もっと知りたいかも。

って何考えてんだろ。私。

まだ会って間もないのに。
あっちは別にどうでもいいと思うのに。

私だけ一方的に何考えちゃってんの…?

「…電車、着た。」

「あ、はい」

戸部山くんはそう呟いて、電車の開いたドアに向かって歩いていった。
私はその後ろ姿にとても胸が高鳴った。







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