君への小さな想いを掲げて *my first love*
「ベトベトくんだっけ?ヤマべくんだけ?」

「ベトベトくんなんかじゃないよ!戸部山くんだよ!」

「あ?マジだったのか。戸部山くん好きになっちゃったのかー」

「なっ!?別に違うよ!」

「じゃ、この顔の赤さは何とぞ?」

彩は私の頬を軽く引っ張ってニヤけて見せた。
…何とぞ?っていつの時代だよ、全く。

「知らない!熱あんじゃないの!?」

「ふーん。素直じゃないねぇ。最近の子供は」

「彩だって子供でしょ!?」

「子供じゃないよ。私、彼氏と大人の階段のぼった…!」

そういって頬を染める彩。
…どうやら嘘じゃないらしい。

「お…大人の階段って…」

「バーカ。手繋いだだけだっつの。」

「…バカ。」

「カバ。そもそも彼氏自体いないわ」

「え。」

「私の彼氏は愛犬ジャックだけだもんね!」


得意げに、仁王立ちするジャックの写真を私の顔に押し付ける。

「わかったって。」




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