君への小さな想いを掲げて *my first love*
「すっげーうまかった!喫茶店とかきたの小学生以来だよ。サンキュ」
「んーん。お礼だから」
2時間弱ぐらい、雑談をしながらケーキを食べていた。
矢杉くんは嬉しそうにお腹をさすっている。
…良かった、喜んでくれて。
「にしても結構中にいたな…。暗くなっちゃったし。」
「そーだね…」
「高野瀬って、駅、どこでおりんの?」
「あーっとね…ここから7駅くらい先かな。」
「送ってくわ」
「え、いいよ、そんなの」
「駄目。俺もケーキおごってもらったから、お礼に。」
そう言って、有無を言わせないような表情をして、矢杉くんは私の前を歩きだした。
「あ、そーいやさ、高野瀬って下の名前何?」
「え?!…希凛。」
「きりん…ね。俺は、優しいってかいてユウな」
「うん…?」
「いや、名前で呼んだ方が他人行儀じゃねぇしさ。」