君への小さな想いを掲げて *my first love*
「あぁ、じゃぁ…優…くん」

「ってくん付けかよ。まーいーや。希凛。」

改札を通りながら、優くんは二カッと笑って私を見下ろした。
180センチはある、高い身長で。

ホームへ降りると、昨日、江ノ原の生徒達がいたベンチに、また今日も、い
た。

優くんはそれに気づき、私に「まってて」と一言声をかけてベンチの方へ歩み寄っていく。

優くんが向かったところ、そこには、戸部山くんと。
…あの、可愛らしい小さな女の子がいた。

「よ。光。…と、宮野さん」

「げ。お前何でいんだよ。」

「高野…いや、希凛とケーキ食ってた」

「キリン?」

「あー…ほら、希凛こっち来い!」

そんな会話の後に優くんが私に手まねきする。
…えぇ!?

いいのに呼ばなくても。

でも、送ってもらうというのに行かないという選択肢はなく、私は仕方なく優くんの隣に並んだ。

「あ。高野瀬…さん」

「ど、どうも」

私の顔を見て、戸部山くんもキリンが誰のことだか分かったようで、私にペコリと頭を下げる。
隣にいた宮野さんと呼ばれた女の子もペコリと頭を下げた。




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