君への小さな想いを掲げて *my first love*
「あ、えと…ミヤノ…ヒヨリです。宮に野原とかいて宮野、ヒヨリは日にちに和むと書いて日和です。」

「…えと、高野瀬希凛です。コウヤって書いて浅瀬の瀬つけて高野瀬。希望に凛々しいとかいて希凛です」

宮野さんは私の名前を聞いてふわりと笑った。
…可愛い。

「希凛と宮野さんってなんか正反対だよな。」

優くんが私と宮野さんを見比べる。
確かにそうかも。

私はロングヘアで背が高め。
対して宮野さんはふわふわのボブに背が小さめ。

ルックス的にも…。

私が平凡で、宮野さんが美少女って感じだ。
…何か、自分で考えて虚しくなってきた。

「そーやっていつも矢杉くんは私の背のことばっかり。…高野瀬さん、背が高くていいなぁー…」

宮野さんはぷくっと頬を膨らませた後、私を物欲しそうに見つめた。
その時、一瞬だけ戸部山くんの瞳が揺れた気がした。

「光も宮野さんもチビッちゃい。」

優くんは宮野さんの頭をコツンと小突き、笑った。
…確かに、二人とも小柄。

お似合い…だよなぁー…。


「うぜぇ。」

「お決まりの光の毒舌きたー」





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