君への小さな想いを掲げて *my first love*
戸部山くんの体に身をあずける。
すると、いともかんたんにひょいっと目線が高くなった。

「…正直言っていい?」

「…え?」

「体重、50kg台でしょ」

「!?」

おぶられた後に、戸部山くんはそんなとんでもないことを言い出した。
図星すぎて固まる私。

実は55kgくらいあっちゃう私。
そして少しお腹も出ている私。

…何か一気に見透かされたような気がした。

「…やっぱり」

「う…」

「思ったより、重かった、かな」

「…だよね」

「でも、別にキツくはない。全然平気。」

「なんか、ごめんなさい」

本気で泣きたくなってしまう。
まさか好きな人に体重がほぼ知られてしまうなんて。
…あぁ、ついてない。

「あ、それと」

「え?」

「くん付けしなくていい。戸部山で。俺も高野瀬って呼ぶから」

「…ごめんなさい、ソレ無理です。男の子はくん付けっていう昔からの固定観念があって…」

「なんだ、ソレ。捨てろよ、そんな固定観念」

そう言って少し笑った戸部山くん。
また私の胸は高鳴る。








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