君への小さな想いを掲げて *my first love*
「俺と正反対だわ。俺のタイプも高野瀬さんと正反対。」

「そう…だね」

…俺のタイプも高野瀬さんと正反対。
それは確かに言えていること。

ひよこって言うより、キリンだし。
チマチマなんてしていたら、不良に気安く喧嘩なんて売ったりしない。

そして、何よりも、私は背が高いから。

一気にテンションは下がる。
少し、進展した、とか思ったんだけど。

「…好きな人、いるんだね。戸部山くん」

「…さぁ。想像にお任せ。高野瀬さんは?」

「ご想像にお任せ。」

いたずらっぽく笑った戸部山くんの顔を見て少しだけモヤモヤがなくなる。
…日和ちゃんか、なんて分からない。

今はそんなこと気にしないで初恋を楽しんだほうが良い、そう思えた。
それにせっかく戸部山くんといるんだ。

きっとこんなチャンスは滅多にない。
戸部山くんに好きな人がいても、たとえ日和ちゃんでも。

振り向かせればいい、そう思った。

「なんか、自己解決しちゃった」

「え、何を?」

「い、いや、何でも」

「そ。あ、病院、あれ。」







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