君への小さな想いを掲げて *my first love*

｢それより、優くんの恋バナはないんですか。｣


｢んー。…ないこともない。｣


｢えっ!?好きな子いるの!?｣


｢…まぁ…最近。｣


｢誰？｣


｢誰が簡単に言うかボケ｣

｢ボケって酷い!!｣


｢…まぁ、叶わなさそうだけどね。｣


｢何で？｣


｢彼女には好きな子がいるから。｣



そういって悲しそうに優くんは目を伏せた。


…それは、日和ちゃんじゃなくて？


パッと日和ちゃんが優くんが好きだと赤い顔で言っていたのを思い出す。

｢誰ですか！日和ちゃん!?｣


｢宮野さんでは、ないな。宮野さんは妹って感じ。｣


それを聞いて内心イラッとする。


日和ちゃん、妹と思われてるのか。
優くん、鈍いなぁ。


｢あ、言っとくが、宮野さんはとっくの昔に振った。鈍いとか思ってたんだろうが、俺は案外鋭いぜ。｣


｢振った!?｣


私、日和ちゃんにそこまで聞いてない。


じゃあ、日和ちゃんは振られても優くんを思い続けてるってこと？