君への小さな想いを掲げて *my first love*
放課後、私と優くんは、図書室で、2人、残っていた。
「じゃあ、聞かせてください、昔話。」
「昔々、あるところに幼なじみの男女がいました。ヒヨリちゃんとユウくん。2人は両想い。お互いの気持ちも知ってました。」
最初、本当に昔話の出だしから話始めたから私は笑いそうになる。
でも、優くんの表情を見て、自然に笑いは止まった。
「でも、ユウくんの親友はヒヨリちゃんが好きでした。だからユウくんは親友に自分がヒヨリちゃんが好きなことを黙っていました。」
切なそうに、懐かしそうに、優くんは微笑みながら話を続ける。
その表情は見ているこちらも切なくさせた。
「ある日、ヒヨリちゃんは、ユウくんに告白しました。ヒヨリちゃんはユウくんの気持ちを知っていたので付き合うと思っていました。」
日和ちゃんは、付き合う気で告白、したんだ。
お互いの気持ちを知っていても、それは勇気のいることだと思う。
頑張ったな、日和ちゃん。