君への小さな想いを掲げて *my first love*
「どこに見送りにいくんだ?」


「空港です…」


「…誰を?」


「私の友達で好きな人です。私は…」


「わかったよ。」

言いかけて駅員さんが発した言葉に私達3人は顔を上げる。
駅員さんは優しく微笑んでいた。


「ちゃんと、学校にも親にも事情は説明することだ。…いいね?」

「あ…ありがとうございます!」

「次にくる1番線の電車に乗るといい。後悔はしないように。行って来なさい」

「ありがとうございました!」

3人で頭を下げて、1番線に来た電車に飛び乗った。
時間はまだまだある。

「乗り換えは?」


「10駅先!」


「そこで乗り換えたらまた乗り換えはあるか?」

「ううん。この電車から降りて乗り換えたらそのまま1本で空港いくよ!」

「よし…。希凛、言葉、用意しておけ。」

日和ちゃんと優くんは私を見て苦笑いした。

告白の言葉。
それはどんなものがいいんだろう。

飾り付けた言葉じゃなくて、綺麗すぎる言葉でもなくて。
伝わる言葉。

それはなんだろう。









< 83 / 93 >

この作品をシェア

pagetop