君への小さな想いを掲げて *my first love*
ずっと言葉を考えているうちに時間を忘れた。
乗換えをしてもずっと。

「おい、着いたぞ」

だから、急に着いたと言われたときは驚いた。
そんな私の頬を優くんと日和ちゃんは笑いながらつまんだ。

「今、だいたい1時40分くらい。先に食うか」

時計を見ながら優くんはファストフード店を指さした。
…あと1時間と何分かで光くんはこの国から、いなくなる。

そんなことを考えると無意識に顔がうつむいてしまう。
どうしてあの時避けたんだろう。
どうして、私はあんな長い時間馬鹿みたいに考え込んでいたんだろう。

口で言ってしまえばすぐの言葉を。

「俺、買って来るから、お前らはここで待ってろよ」

私の表情を見て、優くんはファストフード店に走っていった。

「座ろうか、希凛ちゃん。」

「うん。」

日和ちゃんに引っぱられて、椅子に座る。
日和ちゃんは私の頬を両手で包み込んで笑った。

「大丈夫だよ。戸部山くんにはきっと伝わる。私も優くんに伝わったんだから。」

「でも」

「私は希凛ちゃんに助けてもらうことたくさんあったから…。今回は私が助けてあげたい。」

「…」

「頑張ろう。ね?」

「ありがと…」









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