君への小さな想いを掲げて *my first love*
「突然避けられたのは嫌でもわかった。多分、なんか俺がなんかしたんだろうって思った。だから、俺が心配する資格はねぇえんじゃねぇかって思ってたんだけど」


「そんな。別に光くんのせいじゃ」


「よかった。病気とかじゃなくて。」


「…」


「本当は、急に留学なんてさらさらするつもりじゃなかったんだ。実は行くって決めたの、昨日だし。でも、咲姫の病状が悪化したんだ」

「うん…」


「俺1人留学したってかわんねぇかもしんねぇけど、俺は今、出来ることをしたい。」


「うん。」


「知ってるか。アメリカの医学学校、たった5年で医師免許とった人がいるんだ。」


「そんなに早く?」


「ああ。本当じゃ10年以上か10年近くかかるらしい。でも、その人は一睡も惜しまずに勉強を続けたらしい。俺も、もしかしたらなれんじゃねぇかって思って」

「なれるよ、きっと」


「だと嬉しいけど。5年だから…20歳か。早そうだなぁ…。頑張って医師免許取る。それから、咲姫の病気を治してやる!…希凛が風邪引いたら特別無料で診察うけるし。」


笑いながら言った光くんは、すこし息をすうと、すぐ近くにおいてあるキャリーバッグを手で持った。

「そろそろ行くよ」





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