【完】俺以外のヤツを好きになるの禁止。




───が、何も起こらない。



え……



私がゆっくり目を開くと、目の前には関本君がいた。



夢奈の持っていたカッターは床に落ちていた。



関本君はおそらく、夢奈が持っていたカッターを私が刺されないように床へ落としたのだろう。



「………花咲さん、何してんの?」



関本君の聞いたことのない、思わずビクッとしてしまう声。



「あの……えっと……」



「花咲さんに俺の好きな人を教えたのが間違いだったな」



関本君の……好きな人?



「…………っ」



夢奈は唇を噛みしめる。



「……もう、新垣に関わらないでくれる?じゃないと、新垣を殺そうとしたこと先生や全校生徒にバラすから」



夢奈は青ざめた顔をして、慌てて資料室を出て行った。
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