【完】俺以外のヤツを好きになるの禁止。





「え……っと…何で?」



私は焦りながら返事をする。



「俺さ、昨日……見ちゃったんだよね」



「へ………?」



九条君が浮かべる不敵な笑みからは、嫌な予感しかしない。



九条君はポケットからケータイを取り出すといじり始めた。



そして―――



「新垣さんと西内が、図書室で会話してるところ」




う……そ……



と、九条君がケータイの画面をタッチして私に見せる。



すると、そこには私と西内君がアイスを食べに行く約束をしているシーンが動画で撮影されていた。




「な、何これ……」




もしかして昨日、物音が廊下でしてたのって……九条君だったの?



「俺、図書委員だから放課後、図書室に新刊運ぶように担任に頼まれててさ。んで、たまたま見かけたんだ」




どうしよう……。




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