【完】俺以外のヤツを好きになるの禁止。
「………でね、颯太ってば幼稚園のお遊戯会の大事なシーンで転んじゃってさー、ほんと面白かったよ」
「西内君にもそんなおっちょこちょいなところもあるんだね」
スーパーに向かいながら麗奈ちゃんに西内君の幼少期の話を聞いている。
「西内君って昔から人前で無愛想だったの?」
「いや……昔はずっと笑ってて明るい男の子だったんだけどね。でも、中学生あたりからあんまり人前では笑わなくなったの」
「………中学生のときに、何かあったの?」
「うーん………私もよく知らないの」
西内君は『あんまり人と関わりたくないから』って言ってたけど………。
「まぁ、大した意味はないんじゃない?」
麗奈ちゃんが笑う。
「うん、そうだよね」
「あ、もうスーパー見えてきたよっ!」
そして、私と麗奈ちゃんはスーパーへと入った。