【完】俺以外のヤツを好きになるの禁止。




「……大丈夫か?未愛」


座り込んだ私に手を差し伸べたのは……


「西内……君……」


今、1番会いたくない人。
西内君……だった。


「なん……で……ここにいるの……」


さっき、私たちと違う路線のホームにいたのに……。



「なんでって……別に1人で買い物」


平然と答える西内君。


なんで……なんでそんな平然としてられるの?
私はこんなに悩んで傷ついてるのに……っ



「………妃奈ちゃん、帰ろう」


「おい、未愛……っ!」


妃奈ちゃんからクレープを受け取って、歩き出した私を西内君が引き止めた。



「………ごめん。もう、西内君といるのが辛い……ちょっと整理させて……」


私は目に涙を溜めて、そう言い放った。


「妃奈ちゃん、行こ」


「未愛……っ、いいの!?」


「うん……。」


私は足早にショッピングセンターを出た。
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