【完】俺以外のヤツを好きになるの禁止。




「確かに、視力悪いからなんとなくだけど、背格好とか横顔とか西内にそっくりだったよ?でも………」


妃奈ちゃんは何が言いたいの?
私だって視力めちゃくちゃいいわけではないけど……西内君じゃなかったらあれは誰なの?


妃奈ちゃんは……私を慰めようとしてくれてるのかな?
きっと……そうだよね。


「妃奈ちゃん……もういいよ」


私は作り笑いを妃奈ちゃんに向けた。


「未愛……」


「さ、この際公園で遊ぼうかな♪」


妃奈ちゃんは私を悲しそうな目で見ていた。


「未愛……ちゃんと西内と話しなよ」


「……っ」


「話さなきゃわかんないことだってあるじゃん」


妃奈ちゃんの言っていることは確かに正しい。
私は……真実から逃げてるだけ。

話し合ったらどんな真実を話されるかわかんないし、怖い……。
私はほんとに憶病で弱虫なんだ……。
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