【完】俺以外のヤツを好きになるの禁止。
ピンポーン―――
西内君が躊躇いもなく、麗奈ちゃんの家のインターホンを押した。
「はーいっ!……って颯太と……未愛じゃん」
私を見た瞬間、麗奈ちゃんの顔色が変わった。
「お前、未愛に散々嘘を吹き込んだんだってな」
「………っ」
「お前、そろそろ俺に執着するのやめてくんね?」
西内君は冷たい目で麗奈ちゃんを見た。
「……だって颯太が……私がこんなに想ってるのに私をフッたりするから!!!」
「……俺はお前の束縛に耐えられなかったんだよ」
「私は……颯太に私だけを見てほしかっただけなのに……っ」
麗奈ちゃんはポロポロと涙をこぼし始めた。
「………麗奈ちゃんは、西内君が何で無口で無愛想で人と関わらなかったのか知ってたんだよね……?」
スーパーに一緒に行ったときに、麗奈ちゃん何か知ってそうだなって思ったもん。
「好きな人を苦しめて……それでいいの?」
私が口出しするようなことじゃないかもしれないけど……でも、これ以上西内君を苦しめてほしくない……麗奈ちゃんにもわかってほしい…。
「……っ、うるさいわねっ!!!」
麗奈ちゃんは声を荒げて私を思いっきり押した。
「きゃ…っ!」
私の体はグラっと傾く。