【完】俺以外のヤツを好きになるの禁止。




ガチャ―――


西内君が図書室の扉を開く。
私は中に入ると、いつもの席に座る。


「……相変わらず、誰もいないね」


「まぁ……本なんて借りるヤツいないしな」


でも、この図書室の静かな空間が私は好き。


「さ、始めるぞ」


「うん!」


いつも通り、教科書とワークを開く。


「今回の数Ⅰのテストで70点以上取ったら、ご褒美やるから頑張れよ」


「ご……っ、ご褒美!?」


ニヤリと笑う西内君。


「甘~いキス、とか?」


「!?」


あああああ甘いキス!!!?


想像しただけでぶっ倒れそう……。
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