【完】俺以外のヤツを好きになるの禁止。




「……堂々と一緒に帰れるってなんかいいな」


「そうだね……」


みんなに隠してるときは、別々のタイミングで帰ったり、颯太が裏門から帰ったりしてたもんね。


「なんか俺、幸せだ……。」


「ふふ、私もだよ」


「未愛に出会えてよかった……」


颯太はそう言って私の手を引いて通学路を歩き始めた。


「なんかさ……麗奈と別れてから、もう誰とも付き合いたくないって思ってた」


颯太がゆっくり話し始めた。


「でも……未愛が俺に恥ずかしそうに勉強教えて欲しいってお願いしてきたとき、俺に頼んでくるなんて変なヤツだなって思う反面、可愛いって思ったんだ」


「へ……?」


「面白がって付き合えなんて言ったけど、俺はいつの間にか、お前に惹かれて……関本が未愛を好きだって知ったとき、本気で取られたくないって思ったんだ」


颯太……そんな風に思っててくれたんだ……。


「まさか…こんなに本気になるなんてな」


颯太が優しく笑った。


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