その「ひとこと」の先
~駅、~駅。お忘れ物なさいませんようにお確かめください♪♪
着いちゃった...
後悔を胸に席を立ちあがる
「じゃあ、俺は足湯行ってくるから」
そう言って、少し微笑みながら私に手を振る昇くん
言え、言え、言え、言え、言え
「..うん。じゃあね」
私の意気地なし。
「うん。バイバイ」
彼の声を背中に受けて、私は電車を下りた
改札を抜け、駅を出ると自然とため息が出た
もしあの時、私も行くって言っていれば、いまこうして一人でいなくても済んだのに
ほんと、後悔しかないや。
ほんと、そのひとことが言えてたら
その「ひとこと」の先には...
そう思いながら、私は自分の部屋へと足を動かした