魔物☆に恋して
「勝手にしろ。

オレにお前に指図する権限はないのだからな」

「そうだろうな」

シュラフはちょっと悔しそうな顔をした。

「じゃ、オレが彼女、エスコートする。

無骨な軍人が引き連れて行ってたんじゃ、彼女が怯える」

言って、

ルイカはシュラフのそばからあたしを引き剥がした。

「・・・じゃあ、マヤの方へ付いていくんだ。

私は後ろにいる。いいか、こっちは命令なんだ。

その人間を連れて逃げようとするなら、容赦はないからな」

「わかってるって」

ルイカは自分の腕にあたしの腕を絡めさせて、

歩き出した。

こうすれば、距離が縮むから?

あたしが考えたとおり、ルイカはそっと

「コレでいいの?」

ささやいてきた。
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