魔物☆に恋して
「いや、ない」

「じゃあ、邪魔しないでくれる?

出来ればもう少し、離れて歩いて。

逃げないから」

シュラフは、大人しく、距離を取った。

「マヤ、どういうつもりなんだ」

ルイカがつぶやく。

「そういえば、さっき『逃げて』って」

ルイカは無言であたしを見た。

目を、見開いている。

「『巻き込むべきじゃなかった。後悔してる』とも」

ルイカは、まっすぐ前を見た。


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