魔物☆に恋して
「それで?カミサマが怒ったの?」

「いいえ。天界は寛大です。

というか、重大事件でもない限り、

そんなことくらいでは動かない、

といった方が近いですが。

とにかく、天界はここを認めています。

魔界側も、人間と少々血が混ざろうと、

そんなことでいちいち騒ぎ立てたりしません。

もともと、さまざまな雑多な血で出来ている世界ですから」

「じゃあ・・・もしかして、問題なのは、人間?」

「そうです。人間界です」

ああ、うるさそうだわ。

あたしはそっとため息をつく。

「穢れた血を、

人間界へ持ち込まれては困るのだそうです」

はあああ。

今度ははっきり音を出して大きくため息をつく。

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