魔物☆に恋して
自己否定
「もう、いないよ、誰も」
手をぱっと退けて、振り返る。
ノエルはあたしの肩を押して自分から遠ざける。
それから、鎖を引きちぎった。
「さて、これで時間は稼げた」
「今のうちに・・・どうするの?」
「人間界側の入り口を閉じるんだ。
そうすればウルサイ人間側の介入を断ち切れる」
ノエルは走り出しながら、あたしの腕をつかんだ。
あたしも必然的に走り出す。
ドアを出ようとすると、先にドアが開いた。
誰かが、入ってこようとしてる。
「もう、バレたか?それともあいつら?」
ノエルがつぶやいた。