魔物☆に恋して

あたしは、半分意識を外に奪われながら、

あたしは、手元のポットを手に取る。

金色の縁取りの、白いカップに、中身を注ぐ。

いい香りが、あたしの周りに満ちてゆく。

いつもは家でティーパックなんだけど。

今日は、贅沢に、喫茶店で、美味しいアールグレイティー。


カップに、ほんの少しだけ、紅いキレイな色の液体がたまる。

ちょっとこぼしたけど、

目の前にいる彼は、気づきもしない。

さっきからずっと喋ってるだけ。

名前は・・・なんだっけ。

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