魔物☆に恋して
「どうしよう、オレのせいだ」

マヤに助けられたヒトが、

フラフラとこっちに来ながら言った。

「このヒト、オレの口をしっかり塞いでくれてたんだ。

でも、自分は、この水、飲んじゃったのかもしれない」

言って、マヤを担ぎ上げる。

「手伝って」

言われて、あたしも、マヤの半身に取りつく。

両方から体を支えて、引きずるように

「あれが妖精の小屋、だろ?あそこに行くんだ」

小屋、は、湖のすぐ近くに、背の高い草に埋もれるようにある、

木の家のことらしい。

なんとかそこまでマヤを運ぶ。
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