魔物☆に恋して
マダム カエリ
集落のある方向とは逆に、歩きだす。
ちらほらと、木が生えていて、先へ進むごとに、
森に入り込んでいく感じ。
「ルイカは、ジルのこと、何だって答えてた?
口が悪いとか言われてるのは聞こえたけど」
「マヤの元恋人・・・ではなくて、
相手にされなかったって。魔物だって」
「そうか。雑な説明だけど、嘘ではないな」
「もう、ここにはいないの?」
「帰ってしまった。
湖にね、落ちてきたんだよ。瀕死の重症で。
多分、命からがら、
何かに飛び込んで身を隠そうとしたんだ。
そおしたら、それがたまたま『湖の入り口』で。
全身傷だらけなのに、水に落ちてしまった。
ルイカが気づいて助けたんだけど」