イズミの主義
「で、チャラ男?」
「違います」
明らかに誘導されています
「んじゃ、なに?」
「……啓…」
!?
そう言った瞬間わたしはギュッと抱きしめられた
近くで感じる桐原の鼓動…
わたしの早くなった鼓動がバレないかと思うと余計に早くなる
「ねぇ、泉」
いつもと違う桐原の声が耳元で響く
「オレじゃ、ダメ?」
あまりにも真剣でどうにかしないと、わたしはどうにかなりそう
「そんな冗談は「もう本気ってことぐらいは泉、わかってるだろ?」
わたしの言葉を遮ってもっと真剣な声が体中に響く
桐原の腕の中から逃げようと桐原の胸を軽く押してみるが、もっと強く抱きしめられてもう逃げられない
「泉、好きだ」
そんな真剣すぎる雰囲気にわたしは固まってしまう