イズミの主義




泉と距離が無いぐらい近づいて泉の横顔をじっと見る



「なに」



でも泉はこっちを見ず、テレビを見たまま言う



ほんと揺るがねーな


だからもっとやりたくなんだよな




泉の頬に唇を落とす



「えっ?!」



驚いてオレに視線を向ける泉




「な、なにしてんの?」


「泉がこっち向いてくれないから」




いつも冷静な泉が慌てるのを見るのは楽しい





「ほんとありえない!わたしもう寝る!」


怒った顔をして勢いよく立ち上がる泉




怒った顔とかしても全然恐くねー

というより可愛い




「んじゃあ、オレのベッド行けば?」



「……い、一緒に寝るの…?」




そんな嫌そうな顔しなくても良くね?



「オレはおやじのベッドで寝ようと思ってたけど、泉がそう言うなら一緒に寝る?」



「え、あっ違う!一緒に寝なくて大丈夫です」



そう言ってリビングから出ていく泉


はぁー


これからどうすっかな


徐々に振り向かせれば良いとか思ってたけど、それ以上にオレの方がハマりすぎてる…



ガチヤっ



再び扉が開きヒョイっと顔だけ出す泉



「あ、桐原も風邪なんだから早く寝なよ?」


そう言って扉を閉め部屋に行く泉



あー、ダメだ


こうやってもっと好きになってハマってくんだ



キモチに余裕ねぇーし


フラれたし


泉はオレに興味なさそうだし


はぁー、オレだいぶヤバイかも




自分のこんなキモチに驚く


オレも人間だったんだな



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