イズミの主義
「あっ、ごめん」
それは予想外の泉だった
「いや、こっちこそごめん。どした?」
慌てて平常心を保つ
「ケータイ忘れたと思うんだけど」
「どーぞ」
そう言って扉を開け泉を中に入れる
「あー、あったあった」
笑顔の泉を見てまた改めて好きを実感する
「泉ー」
「ん?」
靴を履く泉の後ろ姿に話しかける
「オレの告白保留にしてんの忘れてねぇーよな?」
「えっ、あ……うん」
1ミリも振り向かない泉
オレの事ぐらい見ろよ
思わず泉を後ろからぎゅっと抱きしめる
泉はビクッと驚き体に力を入れる
はぁー
オレまだまだじゃん
全然泉の心に入ってねぇーじゃん
「泉…オレの事ちゃんと見とけよ?」
オレに無関心なよりこうやって嫌われてる方がまだマシか