イズミの主義
「おつかれー」
賑やかになりだした教室
小森がわたしの筆箱とノートを持ってわたしの方へ来る
「ありがとう」
「いえいえ」
「泉、帰るぞ」
後ろを振り向くと機嫌の悪い桐原
そしてその隣には黒髪のストレートの女の子
たぶん桐原と同じクラスで、同じ実行委員だと思う
そしてわたしの被害妄想でなければ
わたしこの女の子にすんごい睨まれてる…
「えっ」
女の子の鋭い視線に思わず言葉が詰まる
「桐原ー、悪いがちょっと来てくれ」
変な空気が流れていた4人の間は先生が桐原を呼ぶ声でなくなった
「泉ごめん、さき帰っててもいい
まぁ、待っててくれてたら嬉しいけど」
イタズラにそう言って桐原は先生のもとへ行ってしまった
「笠木ゆきです」
女の子はそうボソッと言った