イズミの主義
「泉がそうなると、泉とその時付き合ってた人も
新しい彼女作って泉のこと捨てたの
助けないで捨てたの
そのときから、泉は変わった
泉はなんにも言わないけど、きっとこのことがトラウマで人と関わらないと思うの
人より目立たないように、努力も隠して、あの下手な笑顔作ってるの」
片岡の話を聞いて、今までの泉の言動ひとつひとつが当てはまる
「その上、新田も別れてすぐに新しい彼女作ったじゃん?
泉これでだいぶ、やられたと思う
泉、この人はって勇気出して付き合ったから」
泉…
「だから、泉はあんたが今まで相手してきた
しょうもない女たちとは違うってこと
裏切らない絶対的な自信があるんだったら頑張りな」
そんなの
「離れない自信しかねぇーし」
「啓、あれ」
永司が外を指差す
「あれれー、あれは泉と、泉を狙っているであろう小森じゃね?」
笑いながら二人並んで歩いている
はぁ?
なんでだよ
「わりぃ、さき帰る」
「「よっ、男前」」
後ろから聞こえる意味不明な掛け声を無視しして急いで店を出る
そして
「泉!」
泉のもとへ向かう