イズミの主義
はぁー、
オレどんだけ余裕ねぇーんだよ
いつものように教室に向かう
でも気持ちはいつもより重い
「おい、桐原」
聞きなれない声に呼びとめられ足を止める
後ろを振り返ると
「なんだよ」
小森が立っていた
「昨日はどーも」
嫌味にしか聞こえない
何が好青年だ
「俺さ、成瀬好きだから」
「んで、何が言いたいわけ?」
言わなくても知ってる
「いや?別に
昨日あんな事されたし?
俺も邪魔して良いってことだろ?」
「はぁ?」
「じゃ、お先に」
軽やかに階段を上がっていく小森の後ろ姿を見送る
小森と話している泉の笑顔を思い出す
…泉、オレといるとき笑わねぇーよな…?