イズミの主義



「そういう余裕、ほんとムカつくんだけど」




「…」



そのセリフがまたあのイヤな中学時代を思い出させる





「自分が一番だとか思ってんでしょ」



「はい?」




「ずっとあんたのこと気に入らなかったんだよね

勉強できて?ちょっと男にちやほやされて?

入学した瞬間に新田と付き合って?知ってた?新田のこと好きな子たくさんいたんだよ


で、次は桐原くん?」



手をギュッと握りしめる





「え、なに
そんな力んじゃって

悔しい?
あんたみたいになんの苦労もしてない子は
ちょっとこんぐらい経験しないとね


感謝してよね」




そういうと笠木さんは校舎に入って行った




悔しい…



わたしだって努力してんだよ




♪♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪♪





ポケットでむなしく携帯が鳴った




…………



つばきだ



その瞬間涙がドッと溢れた




『もしもし泉?』



「つ、つばき~~~~」




『ちょ、ちょっとどうしたのよ!?』
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