イズミの主義




「ちょ、ちょっと桐原くん」




そう聞こえてくる声にも振り向かず



桐原は私の右手をしっかり握って歩き出す





わたしもなにがなんだかわからなくて、連れられるままに歩き出す





状況がよくわかってないくせに胸はドキドキしている



全神経が握られている右手にいってとても熱い









あーわたし、この人がやっぱり好きなんだ




「何買うんだっけ?」



「…えっと、お茶とお菓子」





桐原は何もなかったかのように買い物カゴに商品を入れていく





でも、桐原はただ実行委員長だからこうやって買い物してくれてるんだよね…



意外と責任感あるからね





桐原の気持ちの変化が怖くて仕方ない



桐原の何もなかったかのような態度がわたしの胸を締める




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