イズミの主義



買い物を済ませ、2人並んで歩く



夕日が私たちの背中を見つめる





そして長い2人影が地面に現れる



それがどうしようもなく心地いい



桐原は何も言ってこないが、たぶん家までわたしを送ってくれている





「あ、これ学校に持ってかないとダメだったんだな…」



「あ、そうだね」



明日学校で使うんだから家に持って帰っても意味ないじゃん…





「もう泉ん家ついちゃったし」



桐原の『泉』と久々に呼ぶ声に異常にドキドキする





「いーよ、わたし明日学校持ってくよ」



「ダーメ、重いしオレ持って帰るわ」




チャラいくせにこういう時桐原は絶対優しい


くそっ、だから好きなんだ




「いいって、もうわたしの家着いたんだし」




「いーから、任せろって」




「でも…」




わたしが先生に言われたことだし…





「ほんと泉らしいな



じゃーさ、こうしようよ」





「???」





「コレ、泉ん家置いて帰る

けど、明日の朝取りに来る」





「ん??」




「だから、明日泉迎えに行くから、先行くなよ?」



そう言うと桐原はヒラヒラと手を振って来た道を帰っていく





少し前の桐原との関係に戻ったみたいでちょっと嬉しい







でもダメ… 




ダメだって…




明日で終わりなんだから…



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