イズミの主義
◆体育祭
いつもより早く起きて支度を始める
今日は人生最後の体育祭…
そして自分の気持ちにけじめをつける日…
でも鏡に映るわたしの顔はデレデレ
何この顔…
『泉迎えに行くから』
昨日の桐原の言葉がずっとこだまして終始ニヤケが治まらない
キモイキモイ
「泉ーー、早くごはん食べちゃいなさい」
「はぁーーい」
「あら、なんか良いことでもあったの?」
「お母さん、やっぱりわたしニヤけてる?」
「そうねーー」
ヤバい!!しっかりしろ、成瀬泉!!
最後の日にバレるとかほんと笑えないから…
「ピンポーーーン」
「あら、こんな朝早くから誰かしら」
「わぁーーお母さん、待ち合わせしてる友達だ
大丈夫、もう行くから!」
「あらそう?気を付けてね」
急いで靴を履いて、ドアノブに手を掛ける
そして大きく深呼吸する
今日で最後なんだから…
そう言い聞かせてドアを開けた