イズミの主義
手を繋いで歩いているからもちろんみんなの注目の的
「何、あの子」
「次は桐原君かよ」
声のほうを見ると
…笠木さん…
でももうあんなのに惑わされない
わたしは桐原が大切だし、桐原を好きなこの気持ちが大切なんだもん…
「成瀬さんは放送席に座ってて」
放送席に着くと椅子に座らされ、手が離れた
バカみたいに桐原の声は耳に届かず、手が離れた寂しさだけが心をいっぱいにする
「保健委員はオレがするから、成瀬さんはここから動かないで」
目が笑っていない…
そして営業スマイル…
絶対怒ってる
わたしが何したっていうのよ!!
そんなわたしの思いは届くはずもなく
桐原は臨時保健室に向かう
なによ…
振り回しやがって…
でも繋いでいた右手を見るとニヤける
ダメだ、自分…
単純すぎる