イズミの主義
そしてまた胸がぎゅーーーっと痛くなる
でも痛いのがなくなれとは思わない
なんか、矛盾してるよね
「「「キャーーーー」」」
急にグラウンドが騒がしくなる
…???
「キャー、桐原先輩シュートしたー!」
「カッコよすぎる!」
「桐原先輩とボール取り合ってる人もカッコイイ」
桐原と小森………
きっとその二人のせいで、このゲームの観衆が増えていると言っても過言ではない
どんどん女子達が集まってくる
そしてそれと比例するようにわたしの心は暗くなる
この一瞬で桐原の人気は急上昇
なんか、複雑…
「泉?」
「…」
つばきの声にも反応できないくらいにダメージを受けている
「あ、成瀬さんだよね?」
2人の男子がそう言ってわたしとつばきの両側に腰掛けた
「は、はい?」
「あーー、成瀬サンだぁーー
今度、どっか遊びにいこうよ」
なんて騒がしい人たちだ
一人が山で、もう一人が風で
合わせて嵐かって………
ごめんなさい、わたし完全に壊れてる