イズミの主義
「連絡先教えて?」
めんどくさい、今話しかけないでほしい
言葉はわたしの脳には届かず、ただ声だけが耳でこだましている
その時
「「あ、あぶない!」」
そんな声がどこからとなく聞こえてきて
みんなの視線はわたしたちを見ていて
その少し先には
「ボ、ボーール!」
綺麗な曲線を描いて
サッカーボールがちょうどわたしたちの上にいる
でも、気づいた時にはもう遅くて
ドンっ
「イテッ」
わたしの隣にいた男子(山さん?)に直撃
そして
「ごめん、ごめん。ケガない?」
と、涼しそうな顔をして桐原がやって来た
な、なんで桐原が?
脳が働きを止めていたため、この展開に付いて行けず
桐原が近づいて来ていることだけに体が反応して焦り出すわたし