イズミの主義
って、いた………
わたしの特技はいかなる時も桐原を見つけるときです。つって
「うわっ」
そんなことをボーッと一人で考えてると桐原と目が合ってしまった
慌てて目をそらす
「成瀬、大きな声出してどうした?」
「な、なんでもない」
小森が顔をのぞき込んでくる
「今は隣にいるの俺でしょ?」
そう言って手を握ってくる
でもみんなはカメラを見てるから誰もわたしたちに気づかない
今はじっとしてるのが身のためかも………
気になってもう一度桐原を見ると桐原は少し笑ってわたしから目を離す
その笑顔は悲しそうで壁がある
そして胸がギューッと痛くなる