イズミの主義
「泉、オレほんと好きなんだわ
付き合ってよ」
ドキッ
イヤ、
誰でもこの近さで桐原に言われたら
ドキッとするって
イケメンに弱いわたし
情けない
「ムリ」
そう言ってわたしは桐原の腕から抜けた
好きとか言うな
そんなの信じてない
清少納言は夏は夜って言うけど
夏の夜なんて全然良くないじゃん
夏の夜は夏の暑さで変になった人の
バカな発言が耳に届く
夏は家
家で一人でいるのがいい
玄関のドアにてを伸ばしたとき
ふと思い出した
そだ
「桐原って何組?」
「オレのこと気になっちゃう感じ?」
まじバカ、チャライ
「もういい」
わたしは家の中に入った