イズミの主義
「だーかーらー
なんで先帰んの?」
と言ってわたしの隣に来る
この人、やっぱりわたしの苦手なタイプだ
ほんとにチャラい
「…」
わたしが黙ると
「…」
桐原も黙る
「あのさ、ほんとにやめてくれない?
女の子はいっぱいいるから他あったて」
「はぁ?」
急に怒ってるような声を出す
さすがに怖い
こんなヤツが
「桐原啓」
桐原啓…
この人が学年1位の人?
信じらんない
「なに?」
「桐原啓ってあの桐原啓だったんだね」
こんなヤツに負けてるなんて
「俺でどう思った?」
気づけばもうわたしは壁と桐原の間