イズミの主義
一度も止まらず駅まで向かう
「あぁーーダメダメ
全然わたしらしくない」
そう言いきかせながら改札を通る
ん…??
あれ、
あれ、智樹だよね
なんでここで降りてるんだろう
全然関係ない駅のはずなんだけど…
「智樹-----
ごめーん、早く行こっ」
そう言って智樹の腕に手を回す女の子
小さくてくるんとした長い髪
かよわそうでとても女の子って感じ
…もう彼女いるんだ
部活に集中したいんじゃないの?
楽しそうに話す二人
女の子のかばんを持ってあげてる智樹
わたし、持ってあげるって言われても自分で持ってた
智樹はあんな女の子が良かったんだね
だって見るからにわたしと真逆じゃん
部活に集中できたらって
信じて別れたわたしほんとバカみたい
悔しい
なんでよ…
涙が出る
自分でもわかんない涙
何でわたし泣いてんのよ
「だーれだ」
そんな声が聞こえると
目の前が真っ暗になった