イズミの主義
「今日はありがとう」
とても恥ずかしい
あんなに泣いてしまった
しかもこの桐原の前で
「いいえ、泉ちゃんかわいいから許す」
「はいはい」
この人はどこまでチャラいんだ
なんやかんだで家まで送ってくれた
と言うよりついてきた
「では」
そうわたしが言うと
「もう泣くなよ?」
そう言ってわたしの頭にポンと大きな手をのせる
そして優しい笑顔…
くそっ、かっこいい
チャラいくせに
急に紳士になる
わたしは絶対騙されないんだから
桐原の背中を見ながらそう誓った