イズミの主義



授業が終わるチャイムが鳴ると静かだった教室は一気に賑やかになる



「啓くんいこーー」

女子の甲高い声が桐原の周りにたかる



それに視線を向けるわたし


「成瀬さん、桐原さんと仲いいの?さっき話してたみたいだけど」



桐原を真っ直ぐ睨んでるわたしに不思議そうに聞いてくる小森くん



「ううん、先生が同じなだけ」


いつものようにニコッと笑って話す


すると小森くんもニコッと笑う





「あのさぁ、今からみんなで昼食べながら勉強会するんだけど成瀬さんもどう?」


そう言って“みんな”を指差す


男子と女子で5人ぐらい…



もちろん交友関係の狭いわたしにはその子たちが誰なのかまったく知らない



めんどうくさいなぁ


ダメだとは知ってても一番先にこの気持ちが出てくる




「ごめん、ちょっと用があっていけない」



気がつくとこう答えているわたし



「そっかぁー、じゃあまた」


残念そうな顔でそう言ってくれる小森くん



そして“みんな”の背中を見送りながら




はぁーーー



大きなため息をひとつついた
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